20141001の戯言

141002のロードショー

久しぶりの夢の記録。

明日も朝早いというのに寝付けずにいるボク。
寝るのを諦めて部屋の電気をつけてぼんやりしている。
そこに「ウィンナー焼いたけど、食べるぅ?」と、わずかながらボクの持ち合わせている眠気を吹き飛ばすような明るい声で部屋に入ってくる鈴谷。

「全く何時だと思ってるんだよ?」
「でも、夜中ってやけにおなか空くよねぇー」
鈴谷はそう言いながら、ウィンナーを齧りながら皿上のウィンナーをぽいぽい放りこんでいく。
「要らないなら食べちゃうけど?」
最後の一本をフォークに刺しながら鈴谷がボクに尋ねてくる。
「折角だから貰うよ」
そう言ってフォークを受け取り、ウィンナーを口に運ぶ。
ちょっと冷めてしまったけど、空腹に肉汁が沁みる。
「ありがとう、美味しかったよ」
お礼代わりに、鈴谷の頭をぽんぽんと撫でて褒めてあげる。
「えへへ」と笑う鈴谷。
「寝るまでそばに居てあげようか?」
「冗談はいいから、鈴谷も早く寝るんだよ」
「あいよー」
空になった皿とフォークを持ちながら、振り返ることなく手をひらひらと翳して部屋を去っていくところが鈴谷らしいと思った。


再び寝ようと試みたものの、妙に部屋が暑くて寝付けずにいた。
仕方ないのでエアコンをつけようとリモコンを本体に向けた時、エアコン本体に巨大な何かがへばり付いているのが目についた。
どこか機械的な骨格。体からめきめきと生えている何本もの足。
一瞬、蜘蛛とも思ったが色が違う。そして、エアコンから噴き出される風が妙に磯臭い。
「なんでこんなところに蟹が……」
これほどまでに奇妙な光景を見なかったことに出来るはずもなく、ボクは蟹を排除しようと試みる。
本能的に危機を察知したのか、常識では考えられない素早さで部屋を駆け回る蟹。
しかしながら、体に微細な突起をもつがゆえに、その辺りに脱ぎ散らかされていた衣服に引っかかり、身動きが取れなくなりじたばたと暴れる蟹。
直に触らずに排除できる好機と見たボクは、何とか勇気を振り絞って衣服を袋状にて蟹を包み、ベランダに通じるドアを開けて蟹を逃がしてやる。
一瞬、ベランダから蟹を投げ出して地面に叩き付けようとも思ったのだが、さすがに可哀想だからやめておいた。

拘束を解かれた蟹は一目散に逃げ出し、仕切りの隙間を潜り抜け右隣の部屋のベランダへ。
右隣の住人とは顔を合わせたことはないが、隙間から部屋の明かりが漏れ、紫雲が立ち上っていることからベランダで煙草でも吸っているのだろう。
蟹をそちらに逃がしてしまったことに対しては申し訳なく思うと同時に、煙草の臭いをを快く思わないボクは少しだけ良い気味だと思ってしまった。
件の住人は蟹の存在に気づいたらしく、独り言を言いつつ何やら居室に戻りつつ、再びベランダに出てきた。
お世辞にも上手いとは言えない旋律と歌声が聞こえてくる。蟹にでも向けて歌っているのだろう。その歌に価値を見いだせないボクは窓を閉め、微かに磯臭さが残る部屋でようやく眠りについた。


目覚ましが鳴る前に目が覚める。
鈴谷と巨大な蟹と煙草の臭いと下手くそな歌を撒き散らす隣人。
「変な夢だったなぁ…… でもこれもまだ夢の中なんだよね」
夢の中でこれが夢であることを自覚するメタ的な展開で世界は暗転した。

ガストでアイドリング中に書いてるけど、えらく妄想エンジンの調子が良いので鈴谷の件は少し盛ってる。それ以外は割と夢を忠実に記録してるつもり。帰ったら、鈴谷を褒めてあげよう。

今日読んだ本

大日本サムライガール」からのスピオンオフ作品。

アイドルとして神楽日毬に次いでひまりプロダクションに所属することになった朝霧ちとせ。その辺りの経緯は本編ではちとせが唯一活躍らしい活躍をしている「大日本サムライガール」の2巻に詳しく書かれているので、まずはそちらを読むことをお勧め。
ちとせ以後にひまりプロダクションに加わった面々が売れていく中、敏腕プロデューサーの織葉颯斗をもってしてもなかなかブレイクできずにいるので、本編ではちとせ=どんくさいキャラとしてある種のネタキャラ的な感じになっていますが、そこがちとせの大きな魅力。

本編ではスポットライトが当たりにくいちとせだけに、ちとせがメインの本書はちとせファンなら買って損はないかと。