「天使の分け前」(2012英/仏/白/伊)

いつもケンカばかりしている青年ロビーは、トラブルを起こして警察ざたに。しかし、恋人との間にできた子どもがそろそろ出産時期を迎えることに免じ、刑務所送りの代わりに社会奉仕活動をすることになる。まともな生活を送ろうと改心した過程で指導者のハリーに出会い、ウイスキーの奥深さを教えてもらったロビーはその魅力に目覚めていき……。

ウイスキーを樽で熟成させていると毎年2%(だったと思う)蒸発してしまうのだが、これを「天使の分け前」というそうだ。

*ネタバレ注意
社会奉仕活動の指導者によってウイスキーと出会い、秘めたる才能が明らかになる。ここまでは良いのだけど、社会復帰のために、

  • 類い稀なる貴重なウイスキーが発見され、オークションにかけられることに
  • 主人公たちはそのウイスキーをくすねる計画を立てる
  • 紆余曲折ありながらもウイスキーを瓶数本分手に入れる
  • ちなみにウイスキーを落札したのは味の違いが判らない成金
  • ウイスキーの奥深さを教えてくれた奉仕活動の指導者に手紙とともに1本置いて新天地へ向かう

結局のところ、主人公がウイスキーを少量くすねたことを「天使の分け前」(主人公はどう見ても天使には見えないのだが)ってことにしておきましょうや、みたいな美談に仕立て上げようとしているのがどうも引っかかる。全体的に楽しめただけに、主人公の罪に対する意識が残念でならない。勿体ないなぁ。

独断と偏見に基づく私的評価【★★☆☆:良】