「25年目の弦楽四重奏」(2012米)

世界的に有名な弦楽四重奏団“フーガ”。結成25周年となる記念の年、彼らが演奏会のために選んだ曲は“ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番”。それは定型の4楽章ではなく7楽章で構成され、しかも全楽章を途切れることなく繋いでいく“アタッカ”とよばれる奏法で演奏しなければならない難曲だった。しかしリハーサルが始まるや、リーダー格のチェリスト、ピーターがパーキンソン病のために今季限りで引退すると宣言。残された3人は激しく動揺し、完璧だったハーモニーが狂い始める。

どうも登場人物に感情移入ができず、見ていてあまり釈然としなかった。長年蓄積された歪みがピーターの引退宣言を契機に壮大な不協和音となり、近しい間柄であるゆえに個を優先するか和を優先するかのジレンマを描いているのだろうけども、なんとも……

独断と偏見に基づく私的評価【★★☆☆:良】