「ハンナ・アーレント」(2012独・ルクセンブルク・仏)

1960年、ナチス親衛隊でユダヤ人の強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンが、イスラエル諜報部に逮捕される。ニューヨークで暮らすドイツ系ユダヤ人の著名な哲学者ハンナは、彼の裁判の傍聴を希望。だが、彼女が発表した傍聴記事は大きな波紋を呼び……。

裁判の傍聴を通じて、「悪の凡庸さ」に気づいたアーレント。彼女の鋭い指摘は「迫害された側が迫害した側を擁護するとは何事だ」と大衆(=思考停止に陥った愚かな人々、民衆に非ず)から猛烈な反感を買うことになるが、彼らこそ最も「悪の凡庸さ」に陥りやすい人種に他ならない。昨今、アーレントが流行っているようだが、ようやく時代が彼女に追いついたのかもしれない。

これを参考にしました。

独断と偏見に基づく私的評価【★★☆☆:良】