うらみつらみ

あなたがボクに撒いた種。
ボクの活力を栄養に、心に差す陽射しを遮るくらい悩みの葉を茂らせた。
思い詰めるほどにすくすくと育ち、人生の果実を実らせた。
がぶり。一口齧ってみる。舌を刺す苦味と後味の悪さ。
ボクは地面に投げ捨てた。

日を増すごとに、それは雑草のように増殖してゆく。
可憐な花も、甘酸っぱい果実もすべて飲みこまれた。
それに気づいた時には、もう手遅れだった。
ただただ、鬱蒼とした茂みを前に立ち尽くすボク。

忘れたころに、あなたからの手紙が届く。
「ひどい荒れ具合だね。これじゃ、美味しい実がなる種はあげられないよ」、と。


ボクが生きる意味を模索すればするほど、あなたの中でボクの評価が下がってゆく。
ボクがありのままを話せば、あなたは自分に都合のよう解釈する。
ボクが何度尋ねても、あなたはだんまりを決め込む。

あなたからの、斜線のプレゼント。
そんなものを受け取ったら、ボクからもお返ししなくちゃ。
無責任にボクを狂わせたあなたに、とっておきの何かをね。