眠り姫になろう

 良い知らせと悪い知らせが1つずつ。

 ついに着衣で60キロを割った。1日の中で数キロの変動はつきものなので、安定的に60キロを下回れる57〜58キロくらいが理想か。それにしても、一番脂がのっていた*1大学3年の冬頃には78キロもあったのだから、だいぶすっきりした。

 悪い知らせ。1日1円ずつ貯金額を増やしていく「等差数列貯金」が途切れてしまった。起きたのが17時55分、ATMの硬貨受付が18時まで。こればかりは仕方ない。明日、2日分預入しておこう。


 そして、もっと悪いこと。

 昨晩、いろいろあって*2薬を1枚まるまる飲み、半日以上寝ていた。よほど深い眠りに就いていたせいか、夢を見た記憶もない。何も考えずに済むということは、幸せなことだ。しこたま薬を飲んで死んだように眠るのも悪くない。むしろ昏睡状態や死に至れたら最高だ。いまは、そのための慣らしみたいなもの。

 会話とは、所詮「思惟⇔言葉⇔音」の変換作業に過ぎず、その過程の中で大事なものほど失われ、伝わらない。唯一、「自らの意思で言葉を紡ぎ、発した時」にだけ変換効率の損失を多少防ぐことができる。話す事を望まないときには伝わるものなど何もなく、無理やり引き出された言葉だけが独り歩きする。だから、ボクが話をしたいと思う時、信頼できる相手以外には口を噤むのだ。

 子育てはビジネスだ。ここ数年、赤字を垂れ流してきた子会社を何とか黒字に転換したい。「やりたいことがあるなら手助けをする」といいつつ、結局は成果を求めるのはそのせいだ。「今までわがままをしてきたじゃないか」と言われれば、「それ相応の成果を上げてきた子会社に対する報酬として支払ったのではないですか」と答える。普通になりえない存在に普通であることを求める存在。話をしても平行線を辿るだけ。

 「死んではいけない」という決めつけに、ボクは「じゃあ、どうして生きなくてはいけないのか」と聞き返した。それについて、相手は答えなかった。生死を巡るこの問題は表裏一体なのだ。生きる理由があれば生を選び、死ぬ理由があれば死を選ぶ。問題は、生きる理由がないときであって、その時にこそ試されているのだ。だからこそ、ボクは生きる理由がないのならば死を選ぶ側の人間でありたい。そうすることによって、ボクが生きたことになるのではないかという仮説。

 生きる意義は本当に幸せになること。これに異論はない。では、幸せとは生きることが前提なの? その前提が誤りだとしたら? 生きることは苦しい。じゃあ、その苦しみから解放されること、すなわち死こそが幸せじゃないのか?
 最近、強く思うことなのだが「幸せとは何か」という悩みを持つこと自体が不幸なのではないか、と。何も考えず働いて、食事をして、趣味をして、毎日を過ごしてゆく。幸せの定義を見出そうなんて馬鹿げた行為とは程遠いところにある平穏な暮らしに、幸せがあるような気がしてならない。幸せは、青い鳥だ。
 しかしながら、神様がボクの心に「幸せとは何ぞや」という種を植え付けるばかりか、次第に大きくなるその木が心に陰りをもたらしている以上、しっかりとボクはその難問に向き合わなくてはならないのだ。こうしてうだうだ、どうしようもない駄文を書き連ねている時間も、それほど嫌いではないのだ。

 「お前が一人息子だからだよ」 
 電話越し、ボクが「どうして死んではいけないのか?」と尋ねた相手の答えである。まるでボクに兄弟ないし姉妹*3がいれば自殺が容認されるかのようだ。

 「どうして、ボクを産んだのですか?」
 もちろん親も産まれてきた子がこれ程までに不出来で、普通ではないと思わなかっただろうし、ボクだって自らの意志でこの世界に現れたのではない。全ては、神様*4が産み落とすべく、産み落としたのだ。
 何回も言うが、ボクは普通じゃないのだ。だから、現に普通できないではないか*5結局彼らは親として「普通であれ」と子としての義務を果たすように言うのだ。ボクという存在の発生の根本的な原因である生殖行為*6をした両親に憎しみさえ覚える。
 「親より先に子が死ぬだなんて親不孝だ」と言われたが、どうやら親はボクを両親殺しに仕立て上げたいようだ。それからボクが死ねば、少なくとも親不孝ではなくなるだろう? もちろん、心の内で飼いならした殺意には自分以外に噛みついてはいけないとしっかり躾けてある。

 起きていても、何も変わりやしない。薬を食んで、意識を失うことにしよう。

 

*1:私生活でも順風満帆だった

*2:察してください

*3:一人っ子というものは姉ないし妹に強く惹かれるものなのだ。現実の話を聞くと、そこまで良いものではないらしいが。姉にはパシリ扱いされ、妹には「クソ兄貴」と呼ばれ…… あぁ、どっちも選べない。……女の子のように可愛らしい弟なら、それで決まりだ!

*4:もちろんボクは神様がいるとは思ってはいないし、世界を動かす大きな潮流のようなものを指している。まぁ、神様がいたらそれはそれで楽しそうだなとは思うが。

*5:この辺は面倒くさいから省くが。

*6:種としての本能である以上、そういう行為に走るのは致し方と十分承知しているが。