120円の夏

 昔、そんな名前のゲームを見かけた。正確には「夏」じゃなくて「春」だったが。

 最近、眠りが浅い。度々目が覚めるし、数時間しか眠れない*1。昨日もそうだったのだが、二度寝、三度寝することができたので幾分は良い目覚め。

 11日、13日、14日とクロネコさんがお荷物を届けてくれる。だいたい前の日の夜に一回持ってきてはくれるのだが、不規則な生活で寝ていることが多いので*2、次の日の午前中に再配達を依頼。朝なら受け取ることを知ってか知らずか、今朝は再配達の依頼もしてないのに届けてくれた。クロネコのおじさん、いつもありがとう。


 机周りでの作業をしやすくするために買った机上台を早速組み立て、パソコンを移設。ディスプレイが8cm高くなり、妙な違和感。そのうち慣れるだろう。この前、掃除で発掘されたフーカさんを飾ってみる。


 フーカさんは常に監視中。いかがわしい行為には容赦なく右手のバットを振りかざす。この写真を撮った後にも……

 相変わらず、今日もだらだらと「身辺整理」。服と本さえ片づければ大分すっきりすると踏んでおり、手が付けやすそうな服の整理。収納ケースを買ってきて、畳んで仕舞う。たったこれだけの事だが、まず収納ケースの置き場を確保するまでが大変だったのだ。

 わざわざ混んでいる日曜に外に出たくないのだが、欲しい本が近場の本屋にあるようだったので出かける。ネットでも店舗の検索機でも在庫有りになっていたのに、本棚には並んでいない。店員に尋ねてみてもやっぱり見つからない。何冊仕入れて、どれだけレジを通したかで在庫を管理していると思うのだが、無いはずの在庫が「在庫:○」になる要素は一体何? 欲しかった本が買えなかったことが不運なのではなくて、そのような本を欲した事が不運だったのだ。

 がっくりうなだれて無印良品で収納ケースを買う。ケース2つにパーツ1つを買うつもりが、結局ケース1つしか買えず。またしても、である。

 帰宅して、引き続き服の整理。収納ケースでちょっとすっきり。しかしながら、予定通りことが進まないことに面白くなさを感じたので、何が何でも本とケースとパーツを手に入れようと俄然やる気が湧いてきた。以前なら用事がなくても川向の街まで出かけていたのだが、定期も切れているのでそう気軽に行けなくなった。片道120円だが、その120円が勿体ないのである。電気ケトルやら万年筆をamazonでぽんぽん注文しているボクが言うのも変な話だが。

 とりあえず、駅へ向かって歩く。駅に着き、券売機上の路線図で改めて120円掛かることを確かめる。収納ケースが無ければ、自転車にするのだが。そんなことを思いながら、改札に歩を進めた時、ボクは閃いた。「そんなに120円が惜しいのなら、手ぶらな行きは歩いて、帰りだけ電車にすればいいのでは?」 自分の頭の回転に上機嫌になって、元来た道を後にする。

 歩き始めてしばらくして、小悪魔な夏に翻弄されることになる。

 夕立である。折り畳みを差すか微妙な強さではあったのだが、風が強いせいでズボンに染みを広げてゆく。それでも、「お気に入りの音楽を聞きながらだし、大丈夫だもんね、にしし」とウォークマンの音量を上げながらほくそ笑む。
 

 相模川に差し掛かった時、急に雨足が強くなる。橋の上は風も一層強いのですっかり足元が濡れてしまった。


 風が強くて傘が使い物にならない。雨足が再び弱くなったので、もう傘を畳むことにした。雨に濡れるのは嫌いじゃない。むしろ、積極的に雨を浴びたいとも思う。ただし、その直後にお風呂と着替えの準備が整っていればの話だが。「買い物の途中で無ければ、雨を本心から楽しめるのにな」と思う傍ら、帯に「悪い天気には、いい顔をするものだ」という文言が書かれていたアランの幸福論を思い出した。なかなか読む気になれずにいるが。

 川向まで来れば、本があるだろうと踏んでいたのだが、ことごとく期待が裏切られる。ついでに覗いた商店街の小さな本屋。海外もののコーナーは今まで見てきた大型書店とは比べ物にならないくらい小さくて、品揃えも充分とは言い難いけど、そこにはしっかりとお目当ての本が鎮座していた。以前、「ムーの少年」という本を探していたときも、探し歩いてこの本屋に辿り着いたんだよなぁ、としみじみ。小さい本屋もまだまだ捨てたもんじゃない。amazonは便利だが、やはり本は実際に手に取って選びたい*3

 すぐさま読みたかったし、お昼も食べずにいたので、ご飯と休憩をかねて店に入る。注文を終えた後、「ロイホ*4(という選択肢)もあったか」と気付く。ロイホに未練たらたらでせっかくの食事も楽しめず。

 途中まで本を読み、いい時間になったので無印良品で買い物して帰宅。行きは雨の中30分掛けて来たのに、帰りはクーラーの効いている電車であっけなく5分。三日月の下、夏の夜風に吹かれながら帰る道すがら、あの120円に対する未練は一体何だったのだろうかと複雑な気持ち。

 外に出て改めて感じたのだが、外は刺激が多すぎて疲れるね。連れ立って歩いている輩は邪魔だし、特に聞きたくもない会話で耳を犯される*5のが本当に嫌。一人で家にいると周りから*6は不快な思いを受けなくて済むので楽です、はい。

*1:死神様のお迎え待ちなので、何もすることがないなら眠っていたいのだ。半日くらい平気で寝ているような人間なので。

*2:最近は深夜に目覚めて、夕方に就寝。

*3:帯が付いているか否かに異常にこだわるタチなので。

*4:ここのアイスティーがめっぽう好きなのだ。行く度におなかがたぷたぷになるまで飲む。

*5:あえてこういう表現にするくらい嫌い。

*6:自分から不快になることは多々あるが。