時間考3

 結構本気で提唱している「自殺=時間超越論」。ジョギングしてる時に、この理論はある誤謬を孕んでいることに気が付いた。

 死は受動的な出来事である、ということが理論の前提条件。だからこそ、それを能動的な出来事とすることで本来残されていた時間的猶予を前借りすることができるのではないかという仮定に基づいている。
 仮に、ボクが自殺をするとして。ボクは別の死に方をするものばかりと思っていた。だからこそ、自殺によって死を迎える時間が本来よりも早まったと言える。ところが、ここで一つ疑問が生じた。果たして、神様のシナリオには予めボクが自殺することが織り込み済みだとしたら?

 全知全能の神様を前に、時間を前借しようとする企ては果たして成功するであろうか? 然るべき時にこの世界に産み落とされ、然るべき時に然るべき人間に欺かれる。全てが予定調和だとしたら、ボクの自殺でさえもその範疇にある。

 ボクの理論は壁にぶつかってしまった。