高坂原論15

■言葉について(抄録)

自らの内的世界で生じた観念なり思想を具現化し外的世界に伝達するための手段が必要であり、それが言葉である。

言葉の限界こそが、自らの世界の限界である。ゆえに、言語化できないものは具現化することが出来ず、外的世界に発信することが出来ない。

絵や音、芸術といった方法でイメージを表現することも可能であるが、内的世界のイメージを具現化する主たる方法は言葉である。

言葉を正確に運用する能力こそがまず第一に求められているのであり、意思の疎通が取れないことによる齟齬はこの能力の欠如を表す。嘘・偽りといった類は言葉に対する冒涜であり、言葉に対して真摯な心がけを失った人間と言葉を交わすだけ時間の無駄である。

その人の言葉こそ、その人となりを映しだす鏡である。