「本当にわかる哲学」講読2

◆第2章 世界とはなにか?-古代ギリシア哲学-
○世界はどうなっているのか?

  • 「世界はどうなっているのか」という古来からの命題に対し、宗教は創世神話を通じて長きにわたって答えを与え続けてきた
    • 異文化や異民族の交流が盛んな地域ほど多様な世界像に接する機会が増え、自分が信じていた世界像への信頼が揺らぐことになる
    • 異文化と接するためには神話や伝説に頼らない共通理解が求められる
    • 大小さまざまな都市国家や地中海交易を盛んに行っていた古代ギリシア地域はこうした条件を満たした地域であった
  • 哲学の始祖タレス:「万物の原理は水である」
    • アナクシマンドロス(世界の根源=無限なるもの)やアナクシメネス(世界の根源=空気)らの反論
    • 「世界を構成している‘根源’はなにか」という問いに対する自由な議論→哲学のはじまり
  • 世界を構成する<素材>から世界を生成変化させる<動因>の探究

○世界を認識する人間の問題

  • ソクラテス:「魂への配慮」
    • 対話を通じて無知の自覚を促すとともに普遍性・本質を考察させる
    • 「世界とはなにか」という問いに対して、世界それ自身ではなく、それを問うている人間の知性・精神に答えを求め、視点を転換させた
  • プラトン:「イデア論
    • 私たちの感覚することのできる世界は、現実界には存在しないイデアの射影である(実念論
    • 「真・善・美」という価値判断のなかに人間の知性と世界の秩序を見出そうとした→これらの本質(イデア)の探究
    • 「世界それ自体の原理」の問いから「人間の価値の問題」の問いへ

○世界を説明する体系

  • アリストテレス:「形相と質料」
    • プラトンイデア論を批判しつつ、イデアという概念の基本発想は受け継ぐ
    • イデアに相当する形相は個物に内在している⇔素材そのもの=質料
    • 物事の変化や運動の原因:質料因、形相因、始動因、目的因
    • ギリシア哲学の思想を受け継ぎつつ、統一的な言葉によって体系化
    • 世界の秩序を説明しようとし、ソクラテスプラトンによる視点の転換は曖昧になってしまった