「バチカンで逢いましょう」(2012独)

夫に先立たれたドイツ人女性マルガレーテは、ローマ法王に面会するため単身バチカンへと向かう。彼女は敬虔なカトリック教徒だったが、法王に懺悔しなければならないことがひとつだけあった。初めてローマを訪れたマルガレーテは、自分と同じく人生の秘密を抱える老詐欺師ロレンツォと出会う。やがて、ひょんなことから廃業寸前のドイツ料理店のシェフとなったマルガレーテは、美味しい料理で店を建て直すことに成功。その評判は法王のもとにも届き……。

猪突猛進なマルガリーテ、ヒステリックな娘のマリー、自由奔放な孫のマルティナがバチカンで巻き起こす騒動。マルガリータが執拗までに法王に謁見して罪の告白をしたがるその内容が鍵となっているが、三人を通じて家族のあるべき姿、そして三者三様の愛のあり方が描かれている。
理屈っぽいドイツ人ときざなイタリア人の対比(誇張的ではあるが)が見ていて面白い。物語を最終的にどこに着地させるのかなかなか読めなかったが、まぁ大団円という感じで良いのでは? ユーモアときどきシリアスでなかなか楽しめた1本。

独断と偏見に基づく私的評価【★★★☆:優】