「メイジーの瞳」(2013米)

離婚した両親の家を10日ごとに行き来することになったNYに住む6歳のメイジー。ベビーシッターだったマーゴが、父の新居にいることに戸惑うが、元々仲良しだった彼女にすぐに打ち解ける。母が再婚した心優しいリンカーンも、メイジーの大切な友だちになった。
自分のことに忙しい両親は、次第にそれぞれのパートナーにメイジーの世話を押し付け、彼らの気まぐれに我慢の限界を超えたマーゴとリンカーンは家を出て行く。母はツアーに向かい、メイジーは独り夜の街に置き去りにされてしまうのだが──。

大人たちの身勝手な都合に翻弄されながらも、メイジーは子供らしく振る舞いながら鋭い洞察力で自分を本当に必要としているのは誰なのかしっかり見抜いている。「愛している」という言葉は免罪符ではない。結末で示される家族の形は、当たり前に理解しているつもりの「家族というもの」そのものに問題提起をしているように思われる。家族の結びつきの根底は血縁関係なのか、それとも各々の役割なのか、はたまた無償の愛なのか。改めて、「家族」という関係は極めて特殊なように感じさせられた。

独断と偏見に基づく私的評価【★★★☆:優】