「複製された男」(2013カナダ)

何も刺激のない日々に空虚なものを感じている、大学で歴史を教えているアダム・ベル。ある日、何げなく映画のDVDを観ていた彼は、劇中に出てくる俳優が自分自身とうり二つであることに驚く。彼がアンソニー・クレアという名だと知ったアダムは、さまざまな手を尽くして彼との面会を果たす。顔の作りのみならず、ひげの生やし方や胸にある傷痕までもが同じであることに戦慄し、思わぬ運命を辿っていく。

予告編の「能力が試される究極の心理ミステリー、あなたは一度で見抜けるか?」というキャッチコピーに惹かれて意気揚々と観たものの、さっぱり理解できないまま終わってしまった。観た後にネットでいくつかの解説を読んだが、解釈も統一されておらずどれが正しい内容なんだか…… ただ、鬱蒼としたトロントの街を舞台に、真実が見いだせずぼんやりとした内容でミステリーの雰囲気は十分に出ていて、そこそこ楽しめた。この手の映画は2〜3回観て、精緻に張り巡らされた伏線が頭の中で繋がった時に楽しめるのでは?

独断と偏見に基づく私的評価【★★☆☆:良】