2013-04-12 刃の行く末 思案 こつり、こつり。 死神様が近づく音が聞こえる。 ボクは振り返るけど、そこには誰も居ない。 ボクにはそこに死神様がいるとはっきり分かるのに。 あぁ、ボクは幻覚を見てるんだ。 「やっぱり死神様なんて、居ないんだね」 ぎゅっと右手を握る。 彷徨える刃はボクの首筋に鋭く冷たい感触を与える。 ボクの後ろに伸びる影はしっかりと大きな鎌を携えて。