刃の行く末

こつり、こつり。
死神様が近づく音が聞こえる。
ボクは振り返るけど、そこには誰も居ない。
ボクにはそこに死神様がいるとはっきり分かるのに。
あぁ、ボクは幻覚を見てるんだ。
「やっぱり死神様なんて、居ないんだね」
ぎゅっと右手を握る。
彷徨える刃はボクの首筋に鋭く冷たい感触を与える。
ボクの後ろに伸びる影はしっかりと大きな鎌を携えて。