夢野久作/押絵の奇蹟

「少女地獄」のエログロナンセンスの妖しい雰囲気に魅了され、興味を持った夢野久作。年末からちまちまと読み進め、ようやく読み終えた。といっても「氷の涯」はやたらと時間が掛かったのだけど、「押絵の奇跡」と「あやかしの鼓」は昨日・今日にそれぞれ1篇ずつ1時間ほどでさっくりと読めた。

「少女地獄」と比較してエログロナンセンスは控えめだけど、「押絵の奇跡」は江戸川乱歩が絶賛したように、儚さを含んだしんみりとした雰囲気にぐいぐいと惹きこまれ、報われない結末にもかかわらず読み終えた後にはじんわりとした安堵感が広がるから不思議だ。

この前買ってまだ読めていない「ドグラ・マグラ」が、袋の中から禍々しい気配を出しているような気がするのだけど、それは試験が終わって一段落した頃に読もうと思う。なんでも読んだ後には発狂するとかしないとかで、それが原因で単位を落としても困るので、ね。もっとも自(←ここ大事 (元)指導教授のお墨付き!)共に認める気違いさんなので、発狂したところで対して影響は無いと思いますけど。