本(かため)

今日読んだ本

本当にわかる哲学著者 : 山竹伸二日本実業出版社発売日 : 2011-07-22ブクログでレビューを見る»「入門書」とは名ばかりで、難解な書物が多いこの分野において、初学者の立場に立って丁寧に各哲学者の思想をかみ砕いているというだけで一定の価値がある。単に…

今日読んだ本

図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)著者 : 黒川正剛河出書房新社発売日 : 2011-03-16ブクログでレビューを見る»試験対策用に借りた本。中世において、魔女という存在がどのように作り上げられ、裁かれていったのか。一連の流れはキリスト教の再布教運…

今日読んだ本

イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)著者 : 高野秀行講談社発売日 : 2014-07-15ブクログでレビューを見る»イスラム諸国では飲酒は禁忌。それはあくまで建前に過ぎないのかもしれない。苦労して酒を探し求め、現地人と楽しげに酌み交わす作者を見ていると、酒は単…

今日読んだ本

ユダヤ教 キリスト教 イスラーム: 一神教の連環を解く (ちくま新書)著者 : 菊地章太筑摩書房発売日 : 2013-12-04ブクログでレビューを見る»ユダヤ教、キリスト教、イスラームをそれぞれ比較するのではなく、これらの絶対唯一神の宗教から聖戦、福祉、平等、…

太宰治/晩年

短編集なので空いた時間に少しずつ読み進めて、さくっと読み終わるかと思いきや、2ヶ月近くバッグの中で置物と化していた。玉石混淆だったけど、よく分らない短編ほど太宰治のあの気怠さが色濃く出ていたように思う。「道化の華」は青空文庫で読んだことがあ…

夢野久作/ドグラ・マグラ

実家にいる間に読み終えるつもりでいたのだけど、上巻の「キチガイ地獄外道祭文」の件が辛くて、まさしく苦行のようだった。気が付けば、そろそろ相模のねぐらに戻るころあいになってきたので、片付けたいと一念発起してなんとか読み終えた。下巻は割と読み…

大学の書店でマイケル・サンデルの本をちょこっと立ち読みしたのだけど、分りやすくて面白いね。本の整理が一段落したら、ねぐらにお迎えしよう。いつになるかはわからないけど...

高野秀行/謎の独立国家ソマリランド

ネットで本の冒頭が読めるようになっているんだけど、めっぽう面白い。続きが気になるので図書館で借りようと思ったのだけど、近場の図書館には配本されてなくて、川向いの図書館は20人待ち…… ダメ元で大学の図書館を調べてみたらすんなり置いてあったので、…

夢野久作/瓶詰の地獄

結局、「押絵の奇蹟」の次に読むことにしたのは「瓶詰の地獄」。7つの短編集からなる本作はいずれも妙味が効いているが、中でも「死後の恋」、「支那米の袋」、「鉄槌」はお気に入り。猟奇的な出来事を通じ、予想外の結末を迎える「死後の恋」。世界一贅沢な…

至道流星/大日本サムライガール(7)

いよいよ物語が大きく動き出した7巻。自らの理想を実現するために妥協を迫られ、日毬の思想にも変化が見え始める。そして政界進出が現実味を帯びてきて水面下で暗躍する敵対勢力。ますます目が離せません。個人的には千歳が売れてきたので嬉しい。特に1章の…

夢野久作/押絵の奇蹟

「少女地獄」のエログロナンセンスの妖しい雰囲気に魅了され、興味を持った夢野久作。年末からちまちまと読み進め、ようやく読み終えた。といっても「氷の涯」はやたらと時間が掛かったのだけど、「押絵の奇跡」と「あやかしの鼓」は昨日・今日にそれぞれ1篇…

太宰治/斜陽

ここのアドレス入りの寒中見舞いをちまちま出し始めたので、まじめなことも少しは書いたほうが良いのではないかと思い。オタクですが、こういうかたいのも最近は読むようになったのですよ。 人間は恋と革命のために生まれて来たのだ。 「さよならピアノソナ…

今夜もログホラをちまちまと。 「死」が無意味化されたことにより絶対の終着点を失った「生」は、それ自身を混沌とさせるだろう。開始点から終着点へと至る不可逆の通路と言う構造を失い、たどり着くべき対岸を失った生は、迷走を余儀なくされる。 (4巻P128…

「ログホラ」をちまちま読む。 しかし、その悪は小さな悪であり、ほとんど愚かしさであるとか自分本位といった程度のものでしかなかった。どのひとつをとっても、すべての悪の裏側に潜む"黒幕”等はありはしない。誰かを倒せばすべての問題が解決するような、…

柳田益造/楽器の科学

楽器の科学 図解でわかる楽器のしくみと音のだし方 (サイエンス・アイ新書)作者: 柳田益造,足立整治,高野佐代子,菊田浩,徳弘一路,西口磯春,若槻尚斗,山田真司,小坂直敏出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2013/04/16メディア: 新書この商品を含むブロ…

2013年の振り返り(書籍編)

■かため部門 ・こころ(夏目漱石) ・人間失格(太宰治) ・斜陽(〃) ・少女地獄(夢野久作) ・書を捨てよ、町へ出よう(寺山修司) ・夏への扉(ロバート・A・ハインライン)■やわらかめ部門 ・ディアティア(かずまこを) ・ろんぐらいだぁす(三宅大志…

至道流星/東京より憎しみをこめて(2)

この手の本はやらわかめに分類するか、かために分類するか判断に悩むところなのだが。とりあえず、かためということで。面白いことは面白いのだけど、やや血なまぐさくて同じ作者の「大日本サムライガール」や「羽月莉音の帝国」に比べるとちょっと…… しかし…

志賀直哉/城の崎にて・小僧の神様

昨日、読了。いくつもの短編が収められているが、表題にもなっている「小僧の神様」は作者の告白で終わるというのが新鮮で面白く感じた。あとは「転生」なんかも終わり方が小気味良くて好き。どちらも狐に関係しているからだろうか?(当方、キツネスキーに…

紫式部/源氏物語(角川書店編 ビギナーズ・クラシック)

せっかく夜更かしするなら、何か内容が伴う事をしておけば罪悪感もまぎれるかと思い、読みかけの「源氏物語」を読む。入門書なので内容はざっくりと掻い摘んであるが十分に面白い。ただ、‘花散里ちゃん’があまり出てこなかったので残念。読み終えて、資料集…

灰谷健次郎/兎の眼

1限で「因幡の白兎」の話を聞き、空き時間に「兎の眼」を読み進め、残していた数十ページを帰宅後に読み終え、読了。もともと児童文学として書かれていたためか、語彙は平易なのだが、所々にはっとするような内容。 悪人が全く出てくるわけではないが、読み…

寺山修司/書を捨てよ、町へ出よう

伊集院光のラジオで「寺山修司」という作家の存在を知り、角川文庫の「大人の名作カバー」にラインナップされていたので購入。エッセイという感じで、1本が短いのでさくさく読める。競馬の話がちょくちょく出てくるが、競馬に興味が無くてもなかなか面白く読…

夢野久作/少女地獄

角川文庫の手ぬぐい柄シリーズから「少女地獄」。「少女」と「地獄」という結びつきようのないタイトル、華やかさと儚さが共存する線香花火のようなデザインがボクの興味を引いた。 表題の「少女地獄」は3つの短編からなるが、いずれの物語には必ず自殺する…

梶井基次郎/檸檬

昨日、今読んでいる「三四郎」がそろそろ終盤に差し掛かって来たので、次の読む本を探しに本屋に出かけた。 角川文庫が出している手ぬぐい柄がモチーフになっている作品群のいくつかを持っており、ゆくゆくは揃えたいと思っていたので、その中から目についた…

川端康成/「伊豆の踊子」

夏のおわり、文学のはじまり。初秋の文学強化週間2日目。 「踊子」と言えば、もっぱら伊豆急下田・修善寺へ向かう特急のイメージが強い。特急と呼ぶには微妙な車内設備、時代を感じるヘッドマーク*1。良く言えば国鉄の面影を色濃く残した、悪く言えば古臭い1…

三島由紀夫/「金閣寺」

夏のおわり、文学のはじまり。初秋の文学強化週間1日目。 かねてから、「行為」の持つ意味について考えている。「行為」とは自らの思想が具現化されたものであり、それ自体がどこかに正義(またの名をエゴ)の断片を含んでいるに違いない。ゆえに、自らの「…

ロバート・A・ハインライン/「夏への扉」

ピクセルビーのアルバムを流し、聞きながら読み進めた。この本を読み終えた時に再生されていたのは2枚組のアルバムの最後の曲である「猫が見つめる扉の先へ」。正直に言うと、曲の終わりと読み終わり*1のでもう1回リピートしたのだが。 CDを買わなければ、こ…

気まぐれすーさいど10-1

ボクが自殺を考えるのは、予め決められていたことなのではないかと、最近は思うようになった。「自殺こそが幸せだ」と信じて疑わないボクにとって、2つの事柄についてじっくりと考えなくてはいけない。その1つが「自殺とは一体どのような行為であるか」とい…

気まぐれすーさいど9(予定)

いよいよ1日1冊ペースが追い付かなくなってきたので、エントリーだけ。本自体は手に入れてあるし、あとは読むだけなんだけど、面倒くさくて…… 読み終えたら、あとでひっそりと差し替えておきます。 明日からはいよいよ、「自殺は幸福なことであるか?」を確…

気まぐれすーさいど8

もはや「春のすーさいど☆ふぇあ」というよりも、「自殺願望強化月間」と言った方が正しいような気もするけど…… 今日はこれ。 異邦人/カミュ(新潮文庫) 母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺…

気まぐれすーさいど7

今日もやるよ、「春のすーさいど☆ふぇあ」。7日目の今日はこちら。 「肖像画」/ゴーゴリ(岩波文庫*「狂人日記」に収録) ある日、チャルトコーフという売れない若い絵描きはとある肖像画に出会う。肖像画には痩せこけた老人が描かれていたが、その異様な…