寺山修司/書を捨てよ、町へ出よう


伊集院光のラジオで「寺山修司」という作家の存在を知り、角川文庫の「大人の名作カバー」にラインナップされていたので購入。

エッセイという感じで、1本が短いのでさくさく読める。競馬の話がちょくちょく出てくるが、競馬に興味が無くてもなかなか面白く読める。第二章の「きみもヤクザになれる」と第四章の「不良少年入門」あたりは、毒とユーモアが絶妙な按配で織り交ぜられており、読んでいて痛快。
特に、「不良少年入門」の「自殺学入門」は非常に参考になった。この世界を支配する生ばかりを崇め、死を忌み嫌う‘生存至上主義’に対するアンチテーゼが感じられ、「“死んでみる”ことも、ときには経験である」と言い切る潔さに惚れ惚れとする。


漠然と本を読んでいると、自分がいいなと感じた箇所もすぐに記憶に埋もれ風化してしまうので、無印良品の透明な付箋をその箇所に貼りながら読んでみた。3色ペンで線を引きながら読む方法もあるのは知っているが、装丁や帯に異様なこだわりを見せる人間が本に線を引くことができるであろうか、いや、できない。粘着剤が本を傷めないかが気がかりではあるが、なかなか良い方法なのではと思う。
太宰治の『斜陽』からの引用であるが、これも買って手元にあることはあるのだが、なかなか順番が回ってこない。一応、今後の予定(西武線風に)。

 こんど:兎の眼
 つ ぎ:城の崎にて
そのつぎ:堕落論(ようやく和柄・帯付きが手に入った!)
そのあと:銀の匙

相変わらずラノベを買い込んでいるのだか、溜まる一方で消化できないでいる。‘かため’と‘やわらかめ’を交互にするのも一つの手だが、どうも気が進まない。今は、かための本を読み漁りたい気分なのだ。